⭐︎心の瞳⭐︎

虫の知らせ、というものがあるのだとしたら、あれがそうだったのだろうかと後になって思う。
何気なく、ふと思い出していた。元気でいるかな。どうしているかな。
きっとどこかで歌っているんだろうなって。
あんなに小さな細い体でものっすごいパワフル・・と言う言葉じゃ足りないくらい、圧倒される歌を歌う。
からだ全部で歌う、魂の歌だ。その歌を聞くと私はいつもなんだか分からないうちに涙が出た。

訃報を聞いたのは8月の終わり。母と2人で告別式に行った。
ここ数年、連絡取ったり会ったりする機会がなかったけれど、でもふと思い出す。「きっとどこかで、ああやって、めちゃくちゃかっこよく歌ってる」ってそう思えるだけで、なんだかこちらにもパワーが湧いてくるような、そんな存在だった。

もう10年以上も前に、とあるプロジェクトでご一緒して、私たちましゅまろままが楽器を持たずにただ歌った時も、その存在がなんと心強かったことか。

かっこよくて真っ直ぐで厳しくて優しくて豪快で可愛らしい、チヒロさん、大好きです。
ゴスペルシンガーでディレクターでもある彼女の告別式は、音楽に溢れていた。悲しくて、ほんと悲しくてしょうがなかったけど、きっと一緒に歌っているんだろうなと、そんな様子が見えるようだった。
告別式の後、私たちはそのまま予定されていたRoseberyCafeのLIVEに向かった。寂しい、悲しい、色んな気持ちに飲み込まれそうになりながらも、一本筋の通った彼女の姿勢を思うと、いや、ちゃんとやるんだ!と気持ちを立て直せた。

初めて私たちの演奏を聞いてもらった時には、「親子の声質や間合い、この合わさり方、これはもう血だね!他人じゃどうやってもここまではならない、血で揺るぎないものだね!」って言ってくれたことを覚えている。ゴスペルのステージで姉妹揃って圧倒的で素晴らしいハーモニーを響かせる彼女にそんな風に言ってもらえたことは、なんだか確かなお墨付きをもらったようでうれしかった。
母とのその「血」で繋がるハーモニーを、今日という日こそちゃんと上手に奏でられるように、一生懸命演奏した。

LIVEに来るまでに私たちにどんなことがあったかはお客さまは知る由も無いし、全く知らなくて良いことなんだけれど、この日はLIVEがあって本当に良かった。ジョジさん、リカさんに迎えられ、いつもの皆さんの顔を見ながら演奏して気持ちも穏やかに保てた気がします。
お出かけくださった皆さま、いつも本当にありがとうございます。

先日ましゅまろままで初めてカヴァーした「心の瞳」を初めて知ったのは、彼女が歌ったのを聞いたのがきっかけ。その歌声を今でも思い出せる。これからも思い出すよ。大切にしていきたい曲の一つです。
ありがとう。



2023年09月12日 Posted byましゅまろまま at 21:22 │Comments(0)

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